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【ハラスメント】パワハラ上司にならないように部下を叱るにはどうすればいい?

ハラスメント パワハラ上司にならない

職場でのパワハラとは? 定義はありますか?

質問

上司
私は中堅企業で課長職を務めています。先日、新入社員が大きなミスを犯したため、所属している部の連絡ツールを使い「二度とこのようなミスをしないように」という注意を行いました。

ところが、その連絡ツールを見ることのできる上司の部長から「こうした注意の方法はパワハラになりかねないから注意した方がいいぞ」とのアドバイスを受けました。

私のやり方に問題はあったのでしょうか? 部下を叱る際にはどのようなことに注意すればいいのでしょうか?

回答(代表弁護士 加藤 健一郎

代表弁護士 加藤
人格否定を行わない、晒し者にしない、などの配慮を行う必要があります!
現在、パワーハラスメントに関する相談件数は右肩上がりで増加しており、当法律事務所でも、非常に多くのパワハラに関するご相談があります。
(都道府県労働局等への相談は、10年前は約2万件でしたが、現在は約8万件になっています)

大前提ですが、業務上必要がある場合に上司が部下を注意・指導することは上司の職責であり、当然に許されます。

そして、語気を強めて叱ること自体が違法となる訳でもありません。
厚生労働省「明るい職場応援団」サイトでも、他の職員の前で語気を強めて「ちゃんと仕事しろよ!」と叱ることはパワハラにならないとされています。
「パワハラにならない指導のポイント」の動画

そこで、部下を叱る際に心がけておくべきポイントをご説明します。
部下を叱る際に心がけておくべきポイント
1.人格否定を行わない
部下を厳しく注意することは許されますが、「人間性を否定するような発言」は許されないということは覚えておくべきです。

個々人の活動を叱るべきであり、人格は責めないことが大切です。
(プレーを叱るのであり、プレーヤーは否定しない)
具体的には
「お前は今まで何も考えてこなかったから営業ができない」
「お前は生き方が間違っている」
「お前の歳でそんな仕事しかできないのか」
「お前は周りの人間に迷惑をかけている」
といった発言は人格を攻撃するものであり、避けるべきでしょう。
2.具体的な指導を行うこと
東京地判H28.8.7では、上司が部下に対し
「12月末に2000万円やらなければ、会社を辞めると一筆書け」
「3000万円を2800万円にしてやるから、3月までにあげろ」
と発言などしたことが違法とされました。
裁判所は「数字が挙がらないことをただ非難するのは無益であるどころか、いたずらに精神的苦痛を与える有害な行為である」と判示しています。

上司としては、数字だけを抽象的に語るのではなく、その実現方法(営業電話をかける、会社を訪問する、トークスクリプトを考えさせるなど)まで具体的に示しつつ叱る必要があるといえるでしょう。

3.晒し者にしない
注意・指導の際は、叱られる部下の名誉やプライドに配慮し、人前で晒し者にしないということも大切です。

「パワハラにならない指導のポイント」の動画のように、状況によっては他の社員がいる前で叱ることも許されますが、基本的には朝礼や会議の場で叱責することは控え、別室に呼び出すなどしたうえで叱る方が望ましいでしょう。
4.しつこく叱責しない
一つのミスについて、何度も、または長時間叱責することは避けるべきです。
部下への注意・指導は必要かつ相当な限度で認められるところ、何度も、または長時間叱責することは相当性を欠くと評価されかねません。

具体的には、一つのミスについては1回、時間としてはミスの内容にもよりますが、10分から30分程度に留めておくべきです。
5.部下との人間関係を大切にする
部下への注意・指導がパワハラになるか否かの判断については、その上司と部下の人間関係も考慮されます。

日頃から食事を共にしたり、一緒にスポーツ観戦をするような関係であれば、そういった関係も考慮されます。

また、部下を叱責した場合、その後に食事に誘う、差し入れを行うなどのフォローを行っていたかなどもハラスメントを判断するうえでの考慮要素となっています。 この点は、共に仕事を行うメンバーを大切にするという積極的な意味でも実践していただければと思います。
代表弁護士 加藤
最後に、今回のご相談者さまの注意方法について、付け加えさせていただきます。

他の職員も見ることのできる連絡ツールで叱責したという点は、晒し者にする側面があるため、望ましくはありません。

もっとも、ミスの内容や他の社員との関連性、注意の文言次第では特に問題はない可能性もあります。

メールなどで注意する場合には “必要な範囲の者以外はCcから外す” といった配慮も必要になるということを覚えておいていただければと思います。
※ 記事の内容は、作成当時の法令・判例等に基づいた内容です。最新法令・判例等のご確認をお願いいたします。

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